【横浜】フリースクール生徒ら、太鼓で「日本国憲法第９条」

「平和主義訴えたい」
　
横浜市青葉区の不登校児や高校中退者のためのフリースクール「のむぎＯ・Ｃ・Ｓ（オー
プン・コミュニティー・スクール）」（樋口義博代表）の生徒を中心に作られた太鼓グループ
「のむぎ平和太鼓」が、新曲「日本国憲法第９条」の創作に取り組んでいる。イラクへの自
衛隊派遣などで憲法改正への注目が集まる中、「もう一度９条がうたう平和主義の素晴ら
しさを訴えたい」という。新曲は６月８、９の両日に青葉公会堂（横浜市青葉区市ケ尾町）で
のコンサートで発表する。
　
新曲の創作は、樋口さんの発案。最初、メンバーの中には「なぜ太鼓で憲法第９条なのか」
と戸惑った人もいた。しかし、これまでの平和学習やそれぞれが自分の体験を思い返した
時「理想の日本は、他者を思いやりながら自分が自分らしく過ごせる国だ」と考えた。理想
をうたう第９条をより身近なものに感じ、本格的な創作が始まった。
　
スクールの１期生で現在スタッフの根本大介さん（２８）は「平和太鼓は、沖縄での米兵に
よる少女暴行事件をきっかけに、太鼓で平和を訴えようと結成された。今、９条をテーマに
するのは必然だと思う」と話す。
　
だが、憲法の条文で曲を作るのは、想像以上に困難だった。観客が楽しめ、自分たちも楽
しむために頭をひねった。明治時代に自由を掲げ、憲法制定を求めた自由民権運動にヒ
ントを求めた。オッペケペー節で運動を広めた逸話に倣い、太鼓でオッペケペー節のリズ
ムを刻んだ。すると、条文がすっと入ってきた。
　
約２０人のメンバーは、汗を飛ばしながら、思いを込め練習に打ち込む。コンサートが成功
し、多くの人を動かし世界に広がってくれれば……と、夢は広がる。同スクールの自主大学
の卒業生、木暮美奈子さん（２３）は「今だからこそ、平和太鼓で第９条をもう一度訴えたい。
一生懸命やっている姿でよりメッセージが伝われば」と意気込む。
　
コンサートは大人１９９９円、子供９９９円。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040518-00000001-mai-l14